Wednesday, March 2, 2011

国は社会的損失を直視して花粉症対策をスピードアップせよ

先日の花粉症に対する以下の連続ツイートについて続きを書いてみた。
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今日完全に花粉症を発症した。全国の花粉症のみなさま、数か月耐えましょう。そして、放置杉林の間伐など抜本的対策への支持を。林業の方に聞いた花粉大量発生の原因:http://bit.ly/eVnfH0 東京都の対策http://bit.ly/giTQ2U

東京都の花粉症対策検討委員会の委員は、林業関係者が少なすぎじゃないか。http://bit.ly/hifHSk 治療で製薬会社とか儲けさせるより、発生源対策を社会でしっかりやらないと。

国も何かやってほしいよね。それくらいひどいと思う。日本の花粉症という現象は。海外にはないよ、こんな社会の効率を大規模に下げる現象は。

石原さん珍しくいいこと書いてた。http://www.sensenfukoku.net/mailmagazine/no35.html
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<省庁の連携と予算の大胆な配分で花粉症対策のスピードアップを>
ある方からの指摘があり、花粉症は花粉と同時に大気汚染物質と合わさってひどくなることが分かった。詳しくはこちらの記事を参照。したがって、林野庁の発生源対策と同時に環境省の管轄となる大気汚染対策も重要になる。また、当然厚生労働省が応急処置としての医療的アプローチについては責務を負う。したがって日本の役所の縦割りな性質が、ここまで対策が遅れた構造的な原因となっていることは否めないだろう。
その後調べてみたら、国の各省庁も現状で一応連携して対策しているらしい。

自分が一番関心のある発生源対策としては、林野庁が「少花粉スギ等花粉症対策苗木の生産体制の整備」などに約70億円の予算で進めているようである。

しかし、花粉症の与える社会的損失の甚大さをよく考えてほしい。
日本全体の花粉症に費やされる医療費は年間約2000億円とされる。また、夜間の鼻づまりによる睡眠の質の低下による日中の眠気の増大や、くしゃみ・鼻水・目のかみゆ等による集中力の低下などによって労働生産性は1割程度低下するとされ、月に数千億円の経済的損失があるとの試算がある。

また、アトピー性皮膚炎患者も近年増加傾向にあり、花粉症と合併する重症化することが指摘されている。私はこれに当てはまるのだが、実感として毎年この時期はダブルパンチからか耐え難いストレスとなっている。(ちなみに、この合併発症は、労働生産性に追加的な悪影響があるが、勉学に関しては追加的な悪影響は認められないそうだ。)

研究や発生源対策が比較的時間のかかり、また各省庁・地方自治体との連携の必要が難しい問題であるのは理解している。しかし、毎年数千億円の社会的損失があるならば、費用対効果をよく考えてもっと大胆に予算を配分して対策のスピードアップをはかってほしい。現状の年間2000億円の医療費はGDPを押し上げるとしても、国民の利益には全然なっていなし、たとえ高度な花粉症対策医療が発達しても、それは狭い日本国内でしか需要がないので製薬会社等の長期的な成長への寄与も期待度は薄い。こんな問題を放置してはならない!

<蛇足:今年の花粉症の発症時期と長期的な花粉症問題の見通しについて>
ちなみに、今年は花粉症の発症がかなり遅かったので、私は以下の仮説を立てていた。
1.自分のスギ花粉の免疫が改善した
2.昨年の夏があまりに暑すぎてスギが花粉を作る気力さえ失った
3.12月に20度の日があるなど冬の前半はかなり暖かく、逆に冬の後半は冷え込んだため、木々が冬の終わりの判断を遅らせている。

1は他の人もあまり発症していなかったことから棄却。2は半分冗談で、3が本命かと思っていた。そうしたら驚くことに、2が正しいことが判明した↓

「昨年の夏があまりにも猛暑過ぎて、一部の花芽は熟し過ぎ、花粉を飛ばせないくらいに変形しているという調査結果でしたので、最新の報告では『過去最大』から少し下方修正されて、『過去2番目』という予測になりました」―国立病院機構の石井豊太氏

この記事によれば、今年の花粉症は4~5月にヒノキ花粉の増加によって長期化するらしい。また、考えてみれば昨夏が暑すぎただけで、今後夏期の平均気温が温暖化で上昇すると平均的な花粉の飛散量は何も対策しなければ増加していくということである。本当に国は本気になってやらないと、温暖化による飛散量の平均的な増加(とそれに伴う発症者の増加と低年齢化)に対して、対策はとても追い付かないのではないか。このあたりの長期的見通しも直視して、国は対策をスピードアップしてほしいものである。

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