Monday, December 26, 2011

園子音監督再燃

久しぶりの更新。先月で、研究はやや慌ただしさはなくなり執筆・分析モードになっている。
今年はケガもあって、映画をたくさん観ることができたが、最近は園子音監督に再びハマっている。

「愛のむきだし」で好きになって、「紀子の食卓」なども観たがしばらく観ていなかった。今年の後半に入って久しぶりに2003年の「ハザード」を観て、パンクバンドのファーストアルバムのような作品という監督の形容にふさわしく、強烈な印象を覚えた。

ベネチアで染谷将太と二階堂ふみが新人賞を取った話題作「ヒミズ」公開を記念して吉祥寺バウスシアターで監督の特集をやっているが、まだDVDが出ていない「冷たい熱帯魚」と「恋の罪」を先週と昨日続けて鑑賞した。どちらも、人間の本性をえぐりだす快作。特に「恋の罪」は今年の自分の一番に近い。R18指定になっているが、それが申し訳程度に思えるグロさ。「GANTZ」のグロさとはえらい違い。グロさがリアルなんだよな。本2作品の場合は、銃を使わずナイフや包丁で、純白の布を血で染めるから本当にエグイ。でも、それが我々観客の心を極限まで高揚させるのである。

それにしても園監督は、俳優を育てる。「紀子の食卓」の吉高由里子にしても、「ハザード」のオダギリジョーしかり。「愛のむきだし」の満島ひかりは代表。近作では、「冷たい熱帯魚」のでんでんや、「恋の罪」での神楽坂恵。俳優の潜在力を引き出すという意味においては右にでるものはいないといってもいいかもしれない。

これから数カ月は園子音モード。「ヒミズ」には園監督の過去の作品でおなじみの俳優が結集しているので公開が本当に楽しみだ。時間があれば、初期の作品ももっと観てみたいな。